「この橋の下じゃったら　助かるやもしれん！」「ぼっけー数の
飛行機じゃけに 如何だかなー！？」「ま　橋の上よりゃー増し
じゃろーて！」　口々に話している
　　　　
おじさん達の話を聞きながら、私は、姉の事が気がかり
でならなかった！ お姉ちゃんも　何処かの橋の下へ逃げて
いたら　いいけど・・・。 伯母さんも「黎ちゃんは、大丈夫かな・・・？」 　
伯母さんにしてみれば　姉は、母から預かった

大切な子供である・・・。それより何より　まだ　小学校にも上がらない
６才の少女である・・・。　が　 どうしようもない！ その橋の下は、
浅瀬であったが　殆どの人達が足は水に浸かっている
上を見上げると　橋の上を走り抜けていく人で　橋が揺れている！

Ｂ２９が、我が物顔に飛びかい爆弾を落として行く！ 　
「ぐあああ～～！！」「ぎゃー！」「きゃー」と泣き叫ぶ声！
爆弾を落された人家が見る見る真っ赤な炎に呑み込まれて行く！
「おばちゃん！　こわい・・・！」　私は、伯母さんの足もとに
しがみついて　顔をうずめた！　　
私は、そのまま　気を失ってしまった・・・。