その様子をじっと見ていた母が 「こちらの釜戸にも火を付けましょうか?」と聞いた 丁度その時
今市さんが 起きてきて「あーそれは 嫁のやる事じゃから 美祢さんは 井戸水を汲んでくれるかね!」
「あっ! お早う御座います! はっ!はい!」 とは返事をしたものの 井戸水を何に汲めば良いかも
解からない!「あのー・・・」 と母が聞きかけた時 お嫁さんが、「こっち こっち 」と水瓶と綺麗なバケツ
のある所を教え 外へ出て 井戸のある所を指差した!「ああー解かりました!有難うございます」
水瓶は、台所の土間の入り口近く 流し台の直ぐ傍にあった。
皆が歯を磨いたり 顔を洗う為と 野菜や食器等を洗う為の水を溜めて置く瓶である。
母は、井戸のポンプを一生懸命押して バケツに水を溜め 水瓶に運んだ! 何往復かして やっと
水瓶が満タンになった頃 皆も起き始めて!流し台の洗面器やコップに今 汲んだばかりの 水を
柄杓を使って流し入れ 歯や顔を洗い始めた! 「ひやっ!つめて・・・」「気持ちいい・・・」等と 口々に
言いながら 賑やかな 朝が遣って来た! 姉と私も起きてきて 皆さんに元気良く「おはよう
ございまーす!」と挨拶をして 顔を洗ったが 水道の水と違って冷たくて トテモ気持ちよかった!