８月は、地下足袋の売れ行きは、７月依りも悪く、午前中から闇市に
行っても、２足売る為には、矢張り終バスに間に合わず、夜道を
テクテク歩いて帰る事も、度々だった・・・！

夏休みが終わり、９月になって姉は、又、小学校へ通うようになった。
庭の柿の木には、緑色から柿色に色ずいて来た実が、あちこちに・・・！
畑には、夏の初めに植えた茄子が、小さいながらも、濃い紫の実を沢山
付けていた。

茄子に花が咲いた時、母が、
「親の意見となすびの花は、千に一つの無駄が無い！」
と、教えてくれた！　その意味は、「親は、我が子が、可愛く、
幸せになる様にと思って意見をする・・・。茄子は、花を付けると必ず
無駄なく実になる！随って親の意見も茄子も、必ず実る。」のだと・・・！