この事があって、私は、岡山で肋膜を患って寝込んでいた時の事を思い出していた。
安富の伯母さんが、私に滋養(栄養）を付ける為に庭にほうれん草を植えて
お浸しをよく作ってくれて「のりちゃん？　ほうれん草はな　ぼっけ～身体の滋養に
なるんじゃ！仰山食べて、早よようなるんよ・・・。」と云って食べさせてくれた。

それと　当時田舎でもなかなか手に入らない卵をわざわざ鶏を飼っている農家
へ行って高い卵をわけてもらい、卵焼きを作って食べさせてくれた。私は、その時の
卵焼きとほうれん草の味を今も覚えている。程　美味しいと思った。そのお陰で
肋膜が治ったとさえ思っている。

中川の伯母さんにその話をして、ほうれん草を庭に植えたいと話した・・・。
「そうやなあ～卵は都会では、物凄　高こうて、買われへんけど、ほうれん草やったら
植えられるな～、皆も血の気少ないから食べたほうがええもんな？　ほんなら　
庭に植えよか・・・？のりちゃん植えたあと　お水あげたり、雑草抜いたりお世話
してくれるか？」「うん！するする」私は、母にせめてほうれん草を食べて
元気に成ってもらいたかった。