月明かりに照らされて 石段をトントンと登り 入り口のドアの突っかい棒を外して
真っ暗な家の中に入り ローソクを灯した・・・
姉と私は やかんの冷たくなった湯冷ましをゴクゴク飲んだ・・・ お風呂上りの
湯冷ましは格別に美味しい・・・
母は久し振りに顔や首筋や手にクリームを付けた・・・
部屋の中に クリームの爽やかな甘い香りが広がった・・・ 私は 母に甘えたかった・・・
「お母ちゃん! 抱っこ・・・」 と言いながら母の膝の上に座って母の首に纏わり付いた。
「甘えんぼー・・・」と言いながら母は抱っこしてくれた・・・ 抱っこして貰った丁度私の目の位置に
母の喉があり良く見ると 巾1mm位の細い ピンクやブルーや紫 の線が地図の様に広がり
首全体を被っていた・・・ 今迄全く気が付かなかった・・・ クリームを付ける為にやや開かれた
胸元の鎖骨の窪み辺りからは 薄赤くケロイドの様に突っ張った皮膚が痛そうだった!
「お母ちゃん! 此処どないしたん・・・? 痛いの・・・?」 「うん? 痛く無いけど 時々痒いね・・・!
此れはね お母ちゃんが若い時に X腺を掛け過ぎて こんなに為って仕舞ったの・・・!」
「X腺って何・・・?」 「2人が もう少し大きくなったら 教えて挙げるからね!
さっ! 湯冷めしない内に 早よ 寝ましょ!」「うん!」「はい!」