２月８日で、私は、６才になった。母は、姉の誕生日と同じように、コウリャンを麦と一緒に
炊いて、お赤飯の替わりにした。オカズは、薩摩芋と大根と人参の入った汁物・・・！
私は、人参が如何しても食べられない・・・！人参は、栄養価が高いので、母は何とか私に食べて

貰いたくて、人参だけを千切りにしてくれていたが、矢張り食べられないと思っていた。
家政婦さんも、此の日は、早く帰って来て、４人で食卓を囲んだ・・・！「紀ちゃん　お誕生日
オメデトウ！」「オメデトウ！」「有難う！」食卓には、梅の小枝がガラスのコップに生けられて、

ささやかな香りを辺りに漂わせていた・・・！家政婦さんが、風呂敷包みの中から何やら取り出して
食卓の上に並べた・・・！「今日は、嬢ちゃんの誕生日じゃから、奮発して、進駐軍の高けー
缶詰を買うて来たんじゃ！缶きりは有るけーな？」「まあ～！缶詰何て久し振り！缶切？有りますよ！」

缶詰の中身は、１つは、サイコロ型に切った人参とグリンピースの野菜で、もう１つは、牛肉の角煮
だった！今迄に食べた事のない食感だった！美味しい！！先ず、人参も何時ものイメージと違うので、
私も食べてみた、口の中に入れると、とても柔らかく、甘い・・人参独特の嫌な匂いや味ではなかった！！