「黎ちゃん！　チョット外見てきてくれへん・・・？」「は～い！」
私も姉に付いて、きしむドアを開けて外に出た。「うわ！スゴイ人・・・！」外には、
１０人位の人が、「早よ　売ってくれ～～！」と列をつくって待っていた！

私は、小屋に飛んで入り「お母ちゃん？早よ売ったげな皆寒そうに待ってはるよ！」
姉も「１０人位待ってはるよ！」「そ～お！解かった！　ドア開けてくれる？」
「は～い！」ドアを開けると、一番前に居た人が、中に入って来た。
「いらっしゃいませ！寒いのに　お待たせしました！すいません！」

「ええ匂いさしょ～るな！外まで匂いよるよ！」「おおきに！」母は、嬉しそうに
新聞紙に焼き芋を乗せながら「御幾つ？」「旨かったら　又、来るでな～取りあえず
今日は、２つちょ～で～！」「２つ？ありがとう御座います！」殆どの人が、
１個か２個の注文で母は、良かったと思った！今、焼けているのは、２０個しかない
１人で沢山買われたら、寒いのに、次が焼けるまで待って貰わないといけない・・・。

結局初日は、６０個以上売れた！！母の目標は、１日５０個だった。目標を遥かに
上回り、此の調子で行けば何とか、親子３人食べて行ける・・・！
母は、ほっと胸を撫で下ろした。