その後母は、入学式迄に何回か女学校に通い、お茶を沸かす段取りや
後かたずけの 手際等を覚えた。

戦後直ぐの日本では、女学校へ通う女性は、未だ少なく（女性は、家庭を守り、
家事や子育てに専念出来ればそれで良しとされ、教育を受けた頭の良い女性
は、 男性にとっては、寧ろ煙たい存在と毛嫌いされていた為・・・！）此の女学校
でも全校生徒数は各学年に１トクラスずつしかなく１００人にも満たなかった・・・！

３つの大きな釜戸に火を熾し、大きなヤカンにお水を一杯入れて、沸騰させ、白い
晒し布袋にお茶っ葉を入れ、袋の口を縛りヤカンの中に入れ、暫く経ってその袋を
取り 出す。そのヤカンを用務室の机の上に置いておくと各クラスの当番が、２人で取
りに来て、１人は、ヤカンを、もう１人は籠に準備した湯飲み（アルミニューム製）
を各教室に持って行き 食事が終わると、又、元の場所に返される・・・。

返されたヤカンや湯飲みを綺麗に洗い、湯のみには熱湯をかけ消毒をして棚に
戻す・・・。 用務室を綺麗に掃除する・・・。此処までが、母の仕事だった。
此の仕事をつずけて来られた方が、急病の為退職され、それで今回の「急募」と
なった！