家に帰ると、お膳の上に布巾が掛っていて、布巾を取ると蒸かし芋と湯のみ茶碗
が置いてあり、紙切れに「おかえりなさい。おかあちゃんは、２時半ごろ　
かえります　おひるは、さつまいもを食べてください。」と書かれてあった。

姉は、蒸かし芋は苦手で、少し食べて、「紀ちゃん、後は、全部食べても良いよ！」
「お姉ちゃん！お腹空くよ！」「かめへんねん！薩摩芋　少しやったら良いけど、
沢山食べたらお腹、気持ち悪なんねん！そやから、紀ちゃん　全部食べて！」
「うん！解かった！」

昼食後、姉も私も、疲れたせいか眠たくなり、日当たりの良い窓際で昼寝をした。
母が帰って来た音で２人共目が覚めた。母も女学校の入学式で疲れて帰って来た。
先生方や来賓者へのお茶出しも　仰せつかって慣れないない仕事に加え、気疲れも
酷かった！

れんげ草で作った首飾り・・・喜んでくれたが、私が、新しい教科書を出すと、母は、
パラパラとその教科書を見て「お姉ちゃんのと、同じやね！明日お姉ちゃんのも持っ
て行って、お母ちゃんに言われたからと言って新しい教科書を先生に返しなさい！」
母は、出来るだけ無駄を省きたかった！私も学校へ行く様になると、経済的負担は、
今迄の倍になる！此の上内職をしても、とても生活は、厳しい事になる・・・！