私が 気が付いたのは、翌日のお昼過ぎ ・・・。伯母さんの背中だった!
怖い夢を見ている様で辺りは、ドンヨリと暗く 殆どの人家が焼き尽くされ
炭の様な瓦礫と異様な臭気に包まれていた! 『おばちゃん!ここどこ?」
『あっ!のりちゃん! 気が付いた?」「家へ帰って来たんじゃ!」 「・・・・・。」
「のりちゃんが 眠っている間に他所のお家が 焼けてしもうたんじゃ!」
「・・・・・・・。」 「でも ほら おばちゃんの家は燃えなんだ様で アソコに
見えるじゃろ!」伯母さんの指差す方を見ると 1軒だけ本当に燃えないで
残っている!」「ほんとや!」まるで 奇跡としかいいようがない!
チャント1軒だけ残っていた!
近所の人達も2人3人と戻って来て 我が家の燃え尽きた後を見て
悲しみに 打ちひしがれ、しょんぼりと あるいは、呆然と佇んでいた!
その様な中でも 夜仕掛けておいた お釜のお米が丁度炊けていて
奇声をあげながらおにぎりを作って 皆にあげている人や我が家の瓦礫
の整理をしながら 大切なものや貴金属をみつけて喜んでいる人等
ほんの少しでも 希望を見出して喜びに 変えようとしていた!
伯母さんも 私も 従兄弟達も 姉の事が心配で 近所の人達に
姉を見かけた人は いないか尋ねてみたが 誰も居ない! 警察も学校も
岡山市内 殆どが 焼け尽くされていて 届けて 探してもらう所も無い!