そこまで考えたら、涙が込み上げて来た・・・その涙を隠す様に少し小降りになって来た
雨の中へ飛び出した・・・！　走りながら以前姉と河川敷に降りて、蓮の葉っぱの様に
大きな葉っぱを引っこ抜いて、傘の代わりに頭上に掲げながら雨の中を歩いたのを
思い出した・・・。そうや！あの葉っぱを又、傘代わりに指して帰ろう・・・。

河川敷に降りて大きな葉っぱの生えている所迄きた。これこれ、この葉っぱがあれば、
頭と顔だけは、濡れなくて済む・・・。片手で、その葉っぱの茎を持って思いっきり
引っ張った！が、抜けない！　もう片方の手に持っていた教科書やノート等の入った
布製の手提げ袋を地べたに置いて、今度は、両手で引っ張った！少し動いたが、矢張り
抜けない！「う～～ん、う～～ん」思いっきり力任せに引っ張った！やっと抜けたが、
勢い余って尻餅を付いて仕舞い、もんぺもシャツも手も泥だらけに為ってしまった・・・！

”泣きっ面に蜂”・・・。私は、その大きな葉っぱを両手で持ち　手提げ袋を小脇に抱え、
トボトボと歩き始めた・・・。涙が止めどなく頬を伝って流れた・・・。