「それ丸めたら　食ってええからな～～！」「うわ～～！　ほんとに～～？　おじちゃん！
有難う！」私達子供は大喜びで、丸めたお餅をちぎって口の中にほうばった！
私は、お餅を食べるのは生まれて初めてだった・・・。　突きたてで、ほかほかで
もちもちしていて美味しかった。「美味し～い！」「もっと　うめ～～の今、食わしちゃる
け～の～、まっちょれ～～！」

そう言っておじちゃんは、既に作ってあったアンコを丸めて、 慣れた手つきで
お餅を丸く平らに伸ばし、其の上にアンコを載せて包み込みんで丸め、
「ほら！あんころ餅！食べてみんせ～～！うっめ～ぞ～～！」
子供達は、、「あんころ餅！あんころ餅！」と言いながら大はしゃぎで食べた！
アンコが入っている分甘くてこの頃の食べ物で、これ以上美味しい食べ物は、無いと
思うほど美味しかった！ 「おじちゃん！ほっぺた落ちそうに美味しい～～～！」「せ～じゃろう！」

おじちゃんは、得意げだった。おじさん達は、杵を持ってお餅を突き、母やお母さん達が
交代で、手に水を付けながら蒸し上がった熱々の餅米を石臼の中でこねていた。
４，５軒分のお餅を突き、各々の家庭別にその家族の人達で、お餅を丸めたり
伸し餅にしたり、お鏡餅に仕上げて持ち帰った。

皆にとって、戦後初めての楽しい餅つきだった・・・。