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お母ちゃん 死んだら あかん!!
4日、母も私達もその翌日から学校が始まる・・・。いまだ 父からの音沙汰が
無く、父の安否 を尋ねる為に市役所へ行く事になった・・・。
正月明けの岡山駅は人でごった返していた。以前この駅前で、戦争で手足を
無くした傷痍軍人 の人達が、アコーデオンを弾いていたが、この寒空に、
やはり白い着物を着て 5,6人の人達が アコーデオンやギターを弾いたり、
歌ったりしていた・・・。
 
「お母ちゃん?あのおじちゃん達、歌上手やね!」「そうやね!
キット一生懸命練習してはるんやね!」 母はそう云いながら、涙が出そうなの
をやっと こらえ、 手提げバックの中から財布を取り出し、「二人で行って 
これ、あの小父ちゃんの 座ってはる箱の中へ入れて来なさい。」と言ってお札と
小銭を私達に手渡した・・・。「は~い!」 「お父ちゃんも ひょっとしたら、
あんな姿で帰って来はるかもしれへんしね! 皆、お国の為に 闘って、手、足
を無くされた人達ですからね!皆で応援しないと、国は援助も何もしてくれませ
ん からね!」「うん!」

市役所も手を離すと迷子になりそうな程込み合っていて、3時間位待たされた。
やっと「やまもと さ~~ん!」と呼ばれ、父の安否を尋ねた。「解かりました。
調べますので呼ぶ迄待ってください。」 と言われて、又、2,30分待たされた!
「やまもとさ~ん!」「は~い!」母は、内心ドキドキしながら ・・・。
担当員の言葉を待った。”残念ながら~”と言われて、母の顔色が見る見る変
わっ て行くのが 良く解かった! 「残念ながら、こちらにも、何の知らせも入っ
ていません! 生きておられるのか 如何かは・・・!」とても事務的でそっけない
言い方だった。でも、 母は、内心ほっと 胸を撫で下ろした・・・。
"戦死”と言われたら如何しようと思って いたから・・・。 未だ 望みは、ある・・・と

しかし、戦後既に2年4ヶ月が過ぎている。戦死者以外は、殆どの人が帰還して
いるのに  何故・・・。



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プロフィール

☆小さな天使☆

Author:☆小さな天使☆
戦争体験を主につずっています。その他思いつくままに・・・!
「お母ちゃん 死んだら あかん!!」と「父還る!!」のイラストは、お絵かきエデターを使ってマウスで描いています。トテモ難しいです。
性別 女性
年齢 ・・・!
好きなもの 平和 お花 芸術鑑賞
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