母の話を聞いて、中川の伯母さんは、「美祢ちゃんにそれだけの覚悟があるんやったら
昔とちごて（違って）男女同権とやらで女性も外に出て働ける時代になったんやから
女性の求人も新聞や広告でも結構あるみたいやし、色々当たってみたらどうやろう・・・？」

「そうやんか！冬ちゃん（中川の伯母さんの名前が冬子）が、大阪へ早よ返って来い！
勤め先は一杯あるからって云うからそう思うて返って来たのに、まさか再婚話とは・・・、
ビックリしたは～～！それも、うちの人が未だ生きているかも知れへんのに？・・・」

姉も私も母のそんな生い立ちを聞いたのは初めてだった。母の「自分の子供には
絶対にそんな辛い思いだけはさせたく無い！！」と云う思いに,お母ちゃんは、
そうなんや！うちら（私達）の事、そんなに大事におもて（思って）くれてるんや・・・！

母に対する尊敬の念は増す増す強くなり、どんな事があってもこの母を守って行こう！と
思う気持ちも強くなって行った・・・。と同時に、再婚はしないと解かってホットした。