クラスの中で未だもんぺを穿いていた子は３人程いたが、わらじを履いた子は
一人も居なかった。教室の中では、皆裸足だったが、一日の授業が終って下駄箱で
皆の履き物を見ると、殆どの子が下駄で、ズック靴を履いた子も４，５人いた。
皆の目が私の足元に集中した.又私は、恥ずかしくてわらじをつっかけるなり、
走って学校を飛び出した！

お母ちゃん　うち等にも下駄買うてくれへんかな～～～？わらじ穿いてる子なんか
誰もいてへんから　恥ずかしな～～。けど。うちとこはお金無いし、お母ちゃんに
ゆうたら、お母ちゃん困るやろうな・・・。我慢せな！ガマンガマン・・・。
お父ちゃんが帰って来はる迄我慢せな・・・。

中川さん宅へ帰ると伯母さんとＳ子ちゃんが「お帰り～～。」と迎えてくれた。
「学校どおやった？楽しかった？」「うん！」私は嘘をついた！トテモみじめな
気持ちだったのに・・・。姉も帰って来た。伯母さんが「学校どうやった？
楽しかった？」伯母さんは私と同じ事を聞いた！「う～～ん　未だ解からへん」
私も姉の様に答えれば良かったと思った。

その日の晩御飯は昨晩と同じ　芋粉の団子だった！姉は、これが大嫌いだった！
皆に気ずかれないようにそっと私のお皿に忍ばせた・・・。私は団子３つでは
お腹が空くので、大歓迎だった。