私達が 今市さん宅に お世話になってから 1週間が過ぎた! その 生活にも
少しずつ慣れて来たが 母にとっては、過酷な仕事が又 増えた! あの 五右衛門風呂の
掃除と薪割りと 風呂炊きであった! 母にとって一番苦痛だったのが 薪割りである!
生まれて始めての経験であった! 直径 40cm位の 丸太の上に 直径10cm~20cm位の
木を載せ 大きな斧を 振り降ろして 木を割るのだが 腕はだるいし 腰は痛いし・・・。で
結局は、ご長男の手を借りてしまった!「ああー そんなヘピリ腰じゃあー 駄目だめ
もういいから 美祢さんは、風呂を炊いてつかーせー」 「どーも すいません では、お風呂を
炊かさせていただきます!」 母は、風呂場の外の 釜戸に火を点けて 長男の切った木をどんどん
放り込んで燃やした! 一番最初は 熱いお湯の好きな 今市さんのご主人が入られるものと
思っていた・・ところが はからずも 今市さんが入って来られ 「あっちちちー 熱い
でねーの・・・ 誰が 炊いとんなら・・?」と 風呂場の窓を開けて 怒鳴った!
「すっすいません! 美祢です!」 「炊くめーに(炊く前に) 誰が へーちょるか
聞くもんじゃ!」 「はいっ! すいません!」 母は、平謝りに謝って 直ぐに火を
掻き出して 火消し壷にいれ 湯殿に回り 湯船の上の熱いお湯を洗面器で汲みだし
湯加減を見ながら 水瓶に汲んである水を加えた!精神的にも 肉体的にも かなり大変なのが
私達にも解かった!「お母ちゃん うち等が 薪運んだり お風呂沸かすの手伝うさかいに
お母ちゃんは 少し休んで・・・。」「ありがとう・・・!」 その日は、お嫁さんが
後を代わって下さった!次回からは、姉と私も手伝って 母と一緒にお風呂を沸かす様にした!
お母ちゃん死ぬんやったら うちも死ぬ!!
2009,10/06(Tue)