翌日私は、紙芝居屋のおっちゃんの打つ拍子木の音を待っていた。ちょ～んちょ～ん
ちょんちょんちょん！　「あっ来た～～！」というが早いか　草履をつっかけて
家を飛び出した。もう既に３人が並んでいて、どんどん各家から駆け足で出て来て
私の後ろに並んだ。Ｋ子ちゃんも走って来て、私が既に並んでいるのを見て、
微笑んだ。

紙芝居は、継母物をやっていて、母親が若くして亡くなった後に新しいお母さんが
やって来て、父親が勤めに出た後　何かにつけてその娘を虐めるという内容で、
この当時の紙芝居のお決まりの内容だった。

その結果、女の子達のあいだでは、良く叱るお母さんの居る家は、あのお母さんは
継母とちゃう・・・？という見方が多くなっていた。私自身も姉とケンカして
母に厳しく叱られると何でお母ちゃんは、私ばっかり怒るんやろ～～？
ひょっとして継母？と思うことも度々だった！