ところが案に反して母は「そ～、実はねお母ちゃんもその喉自慢大会の事聞いていて
紀子に出てみたら・・・？って言おうかな如何しようかなと思っていたんやけどね、
仕事が忙しかったから、つい言いそびれて・・・。でも、Ｋ子ちゃんが引っ張って
くれて良かったね！　紀子も、良～がんばったね～～。」「うん！」

その後、４日経って景品が届いた！その景品を見て一番喜んでくれたのは、中川の
おばちゃんだった。「んま～～！お米とお砂糖がこんなに仰山（ぎょうさん）！
助かるわ～～～！紀ちゃん！おおきに！ほんまに助かる～～～！Ｋ子ちゃんとこ
にも少し上げなあかんな～～！」「そうやな、今度の日曜日にお母ちゃんと一緒に
行ってもらうわ。」

「それに、この粉は石鹸粉やねんね！進駐軍関係の仕事してはる人に、おばちゃん
話には聞いてたけど、これやったら固形の石鹸とちごて（違って）ゴシゴシ洗濯物
の上で擦らんでも、水の中にパラパラと入れるだけで溶けて、洗濯物を漬けて置いて
手洗いしたら簡単に落ちるんやてね！」「へ～～　そうなんや！」