「お金か？　おっちゃんもお金は欲しいけどな、”足長おじさん”いう本読んでな、
おっちゃんも　戦後直ぐにお金儲けさせてもろたさかいにな、この　”足長おじさん”
の真似事がしたなってな、子供達が喜んで読んでくれて、為になる本買うて、
農家へ行ってロバと荷台をわけてもろてな荷台の上に皆が喜んで入ってくれる様に
考えて、窓やカーテン付けたんや！　どうや？気に入ってくれたか？」

「うん！気に入った！」「気に入った！　かわいいやん！」「おとぎの国からやって
来たみたい！！」「おっちゃん！ロバの首に一杯鈴付いてるけど、あれもおっちゃんが
考えたん？」「ああ！鈴な～、あれは、うちのかみさんが考えたんや！　
この鈴の音聞いて皆が寄って来てくれる様に！いうてな！」「やっぱりな！
おっちゃんの考えそうな事とチャウ（違う）もんな！」「あはははは～～～！」

おっちゃんの周りには、２０人位の人が集まっていて、皆、大笑いだった！
おっちゃんは、頭を掻きながら「せぇやせや肝心な事忘れてた！　せやさかいにな！
（そお言うわけで）お金はいりましぇ～～ん！」「ええ～～～？ほんとに～～？」