私は無い知恵を一生懸命絞り出し、やっと良い案を思いついた・・・。
そうだ・・・。皆がラジオの「君の名は」を聞いている間に１人でお風呂に行けば良い・・・。
当時ラジオで日曜以外は日本全国に放送されていた春樹と真知子のメロドラマで、
この放送中は日本全国の女湯が空っぽになる・・・。と云われる程の 人気番組であった。

私は本当にお風呂屋さんが空っぽか如何かも確かめたかったし、もしそれが本当だったら
誰にもお尻のタンコブは知られなくて済む・・・。と思った・・・。

皆に「本当に女湯が空っぽか如何か知りたいから、今から１人でお風呂屋さんに行って
来るは・・・。」と言い残して石鹸とタオルを洗面器の中に入れて家を飛び出した・・・！

お風呂屋さんの暖簾をくぐって驚いた！　脱衣所には本当に誰もいない！
何時も居る筈の番台のおばさんも何処かに引っ込んで「君の名は」を聞いているのか、
番台にいない！仕方なく銭湯代だけ置いて
服を脱いで鏡の前に立ち横側を映して見た。矢張り未だ少し腫れている・・・。

湯船との境の戸を開けて中に入った。湯気が立ち込める中に一人ぽつんと白髪の
おばあさんが湯船につかっていた。私の知らない人だった。良かった！
こうして、誰にもお尻のたんこぶの事は知られなくて済んだのである。 


すいません！初めてのアップロードで、ラジオを先に上にアップしたつもりが逆になりました。
ラジオから聞いてくださいね！　　映画の岸恵子さん後に成る程綺麗ですよ。
「君の名は」　の概要
　　太平洋戦争も終末に近ずいた昭和２０年５月　東京大空襲の時逃げ惑う都民・・・。
　　場所は有楽町の数奇屋橋の上（今は、橋は無い）で真知子と春樹が出会い
　　必ず生きて又、合う事を約束するが、何時も何時もほんの僅かで行き違い
　　なかなか　合う事が出来ない・・・。


ラジオ放送の後で映画化されました。　真知子＝岸恵子　春樹＝佐田啓二
この中の頭から巻きつけたストールは、女性のあいだで、「真知子巻き」となずけられ大流行しました。



↓当時のラジオ　菊田一夫作「君の名は」です。少しでも聞いてくださいね。