学芸会が終わると冬は急速にやって来た。寒くても私は外で近所の子達とよく遊んだ。
縄跳び、ゴム飛び、缶蹴り、かくれんぼ、タンスながもちどの子が欲しい？等等・・・。
そのせいで、お腹が空いて仕様がなかった！　

お昼に学校で給食のコッペパン半分とペコペコ、ボコボコにへこんだアルミのカップ１杯の
鼻をつまんで飲まないと臭くて不味くて飲めない脱脂ミルクを飲んで夜７時頃の夕食迄 食べる物は何も無い・・・。
 

小さな庭に植えた人参、大根、サツマイモを掘り起こすと小さな実を付けていた。
中川のおばさんは、喜んで薄いお粥の中にこれらの野菜を入れて雑炊を作って夕食にしてくれた。
やはり、みんな同じ大きさの丼鉢にこぼれそうに成る程一杯よそって（４人の子供は皆
育ち盛りである。出来るだけ、喧嘩にならない様に同じ様に盛った。）

それでも、皆、一番多いのはどれかと　目を皿の様にして見ていて長男のＨ君が最初に選ぶのを
固唾をのんで見ていた・・・。「どれも、皆、同じ量やさかいそんな　見比べんでも・・・。」
とおばさんが・・・。