母は警察に行ったが大晦日の晩である。スリや窃盗にあった人で、ごったがえしていた。
未だ各家庭に電話も無い時代である。家では皆が待っているだろうな～～と思いながらも
この事は絶対警察に届けておかないと・・・、なにしろ一ヶ月分のお給料とボーナス
である。今の母には大金である・・。小１時間も並んでやっと母の番になった！
根掘り葉掘り聞かれ、調書を執られ結局１時間半位掛かかり帰りが遅くなってしまった。

日頃お世話になっている中川さんにも何か買って帰ろうと思っていたが、12月分の
家賃と生活費も払えなくなってしまった。気が重い、貯金も子供達の教材を買う為に
ほんの少しあるだけ・・・。結局なにも買わないで思い足を引きずりながらの帰宅だった！

「話は後で聞くさかい取り合えず年越しそば食べよ、な！食べたら
3人でお風呂行っといで！」「すんません・・・、ほんならよばれます。」
食後3人で洗面器と石鹸と日本手拭を持って、お風呂に行った。「かんにんな！
お母ちゃんがもうチョットしっかりしてたら・・・、こんな事には・・・、」
母は泣いていた！　私は、母が、いつかの様に又、3人で死ぬと言い出すのではと
気が気でなかった！