毎朝ご仏壇にお水と朝炊いた食べ物をお供えしながら、ご先祖様のお位牌と父の戦地での
写真に向かって手を合わせていた。私の脳裏にはこの写真が父の全てとして記憶されていたのである・・・。

が、今私の目の前にいる父は、まるでお相撲さんか豚の様にでぶでぶに太って目も鼻も顔の中に
めり込んでいるような顔立ちにかわっていた！！
　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　　
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私の名前は「紀子（のりこ）」なのに「きっこ」か・・・？と・・・。
戦後直ぐに帰還された兵隊さん達は殆どの人が骨と皮のやせ細った姿で戻って来られていた・・・。
父は、戦地に赴いて７年も経ってるので、きっともっと骨皮筋衛門（ほねかわすじえもん）になって
還って来るものと思っていた・・・。

父と母と姉は何か話合っていた様だが、私は下を向いたまま黙りこくっていた・・・。
（お父ちゃんとちがう・・・・。）この言葉が頭の中をぐるぐると駆け巡っていた。